
■着々と進むチーム改革
新たに長谷部茂利監督を招聘し、即戦力ルーキーをはじめ、各チームの中心選手として活躍していた15名を獲得して今シーズンをスタートさせた福岡。補強というよりも、新しくチームを作り直すことに着手している印象を持つ。目指すサッカーは、全員が連動する攻守にわたってアグレッシブなサッカー。それはクラブ創設の理念である「集団行動性、俊敏性を持ち、軽快・統制力・多様なグループ攻撃を特徴とする」アビスパスタイルにつながるものでもある。
満員のミクニワールドスタジアム北九州で迎えた開幕戦では、豊富な運動量をベースに高い位置からプレスをかけてボールを奪い、「守」から「攻」に素早く切り替えて、シンプル、かつ縦に速い攻撃で何度も決定機を作り出した。1点のリードを奪った後は、全体のバランスを整えて北九州の反撃を許さず、機を見て鋭いカウンターを繰り出すという巧みな試合運びも見せた。そこにあったのは過去の福岡では見られなかった姿。チーム改革が着々と進んでいることを示した。
そして、新型コロナウイルス拡大の影響を受けてリーグが中断されるという難しい状況の中でも、福岡はモチベーション高く日々のトレーニングに臨んでいる。各ポジションに力が拮抗する選手を揃えるチームの競争は激しく、それがチームの力を上げ、成熟度を高めることにもつながっている。リーグ再開後は、どんなスターティングメンバーで臨むのかも含めて、さらに進化した福岡が見られそうだ。
■昇格争いのライバルは磐田か
これまでのJリーグの歴史を振り返れば、最後の最後まで何が起こるか分からないのがJ2。まだ1試合しか消化していない中で、昇格争いのライバルチームを挙げることは時期尚早と言わざるを得ないが、それでもJ1昇格を目指す福岡が意識せざるを得ないのは磐田だろう。降格してきたとは言え質の高いJ1で戦っていたチーム。選手個々のレベルは高い。
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