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【フットボールな日々】それぞれの想いを乗せた42.195キロの戦い。私が「いぶすき菜の花マラソン」を走るワケ。

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[中倉一志=文]
11月11日、ホーム最終戦のキックオフ前に、仲間と一緒に福岡マラソンの応援に出かけた。アビスパサポーターと、Jリーグユニフォームで走るサッカー仲間を応援することが目的だ。初めて生で見る福岡マラソンは、想像以上に多くのランナーと、様々な目的で走るランナーがいて、まだ5キロ地点ということもあり、みんな楽しそうに走っているのが印象的だった。そんなランナーに声援を送りながら、自分が出走を予定している「いぶすき菜の花マラソン」が待ち遠しくなった。

小さな頃、自分がスポーツに関わることになるだろうとは想像もつかなかった。ありとあらゆる病気にかかって幼稚園にはまともに通えず。小学校低学年の頃は、夏になると蕁麻疹が出て学校を休み、決まって中耳炎になって、また学校を休む。体育の評価は2。徒競走では断トツのビリで、逆上がりはできないし、後転もできなければ、跳び箱も飛べなかった。身体の弱い自分にはスポーツは縁遠いもの。そう思い込んで本ばかり読んでいた。

そんな自分にスポーツで勝てることがあると教えてくれたのが長距離走だった。思い起こせば小学校5年生の時。運動会で行われた800メートル走に出ることになった。確か、一人ひとりが必ず一種目に出なくてはいけないという決まりがあって、誰も希望しない長距離走を押し付けられた形だった。どうせ何に出てもビリ。それしか残っていないのなら、それでいい、そう思っていた。

小さな小学校のグランドは1周が80メートル。結果は分かっていたから、何も考えずに、義務的にスタートを切り、そして走った。ところが何かが違った。周回を重ねてもビリじゃない。気が付いたら最後の一周を2番目で迎えた。そして第3コーナーを迎えた時、10メートル先を走る友達の姿が見えた。「抜ける」。何故かそう思った。そして抜いた。病弱で、運動音痴な自分が、スポーツで人に勝てるということを初めて知った瞬間だった。そこからスポーツにのめり込んだ。高校生の時は体育だけが5だった(笑)

社会人になり、歳を重ねるとともに身体が必要以上に大きくなり、それが歳を取るということだと自分を納得させてきた。本当はあっちの世界に行きたいのに、勝つか負けるかしかない世界で生きてみたいのに、それに気づかないふりをしていた。でも、叶うことならば、すぐにでもあの舞台に立ちたい。ずっとそう思っていた。でもそれは無理。ならばライターという立場でスポーツに関わることで、自分の想いにけりをつけようとしている自分がいた。

「指宿マラソンでも走りますか?」
通称「部室」の店長Mさんの一言が、そんな自分を押してくれた。勝負の世界に戻る最後のチャンス。もう今しかない。そんな気がした。当然のことながら、60歳を過ぎての初マラソンで勝ち負けなど争えるわけもない。これから先、勝負ができる自分に戻れる保障などはどこにもない。むしろ、年齢を考えれば、そんなことは不可能だろう。でも、それにチャレンジしたい。勝つか負けるかしかない緊張感を味わいたい。そして勝ちたい。そう思う自分がいる。

いぶすき菜の花マラソンは、そのスタート。だから大会に向けてのトレーニングが楽しくて仕方がない。滝のように流れる汗に自分の存在を感じ、少しずつ、少しずつ、目覚めていく身体を実感する。真剣にやればやるほど、走る距離を延ばせば伸ばすほど、マラソンの奥深さが少しずつ見えてくるのも新鮮だ、頑張りすぎて、人生で初めて肉離れを経験したが、それさえも嬉しく感じる自分がいる。身体は痛めてこそナンボ。そんな体育会気質が蘇る(汗)

さて、初マラソンはどこまで頑張れるか。表向きの目標のほかに心に密かに決めた目標もあるが、それにどこまで迫れるか。きっとゴールインした時には、あの頃感じた、とてつもない悔しさにまみれるのだろう。でも、それが次のレースへの原動力。それがきっとサブフォー(4時間を切ること)に向けての力になってくれるはずだ。レースまで約2か月。とりあえず、当日のウエアとシューズはそろえた。あとはどれだけ準備を積めるか。精一杯、汗を流したいと思う。

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