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いま改めて「我慢と継続」


【中倉一志=取材・文・写真】
私がアビスパの取材を始めてから、これまでに2度の昇格を経験させてもらった。
1度目は2006年。当時の福岡は「新生アビスパ」と銘打ってクラブ改革に着手していた頃。混乱を極めてきたクラブの歴史を払拭し、新たな歴史を築くべく活動をしていた時期で、目先だけを見たベテラン中心のチーム編成から、実績はないがポテンシャルのある若い選手中心のチーム編成に変更。育成型クラブを目指していた頃だった。そして、チームに規律を身に付け、若い選手を育て、熟成した組織としてJ1に返り咲いた。

2度目は、まだ記憶に新しい2011年。この時のチームの中心は、どちらかと言えば、ある程度の実績を持った選手たち。2007年にふたたび降格した後、これと言った積み上げもないままにシーズンを過ごしていたが、2010年はシンプルに裏を狙い続けるという割り切ったサッカーを展開。ほとんどのスタッツが平均以下でありながら、決定機の数はJ2でトップクラスというサッカーでJ2を駆け抜けた。

そして、いまのチームの姿は、2006年に昇格を果たしたチームの姿とダブる。戦術面をはじめ、選手に対する監督・スタッフの関わり方も、ファン・サポーターとの関係も、両チームの間には天と地ほどの違いがある。しかし、選手の人間性や、組織として戦うこと、その実現のために個々の選手が役割を果たすことを求めていたことなど、チームマネジメントの面では共通点が多い。そして、良かったり、悪かったりを繰り返すチームの様子は驚くほど酷似している。

勝負所で後手を踏む。練習通りに試合をやれない。いい試合をしても、それが続かない。戦うべき場所で戦えない。マリヤン・プシュニク監督が口にする問題は当時と全く変わらない。だが、なにも選手は相手を見下しているわけでも、手を抜いているわけでもない。試合前の準備も、試合に対する心構えも、おそらく、いつも同じはずだ。けれど、それが試合で表現できない。それは福岡だけではなく、J2のチーム全てに共通している問題だ。

当然のことだが、練習と試合は違う。いくら実戦を意識しても公式戦と同じ状況をを作り出すことは不可能で、選手たちはプレッシャーをはじめ、様々なものと対峙して試合を行う。それどころか、予想していなかったこととも向きあわなければならない。当然のように、そうした多種多様のストレスに選手たちのパフォーマンスは影響を受ける。それは世界のトッププレーヤーであっても変わらない。

ただ大きく違うのは、ストレスから受ける影響の度合いだ。一流プレーヤーになればなるほど、その波が小さく、J2のプレーヤーの多くはその波が大きい。言ってみれば、J1昇格争いは、様々なストレスからくる影響を受けることが少ないメンタルを、いかにして身に付けるかの戦いでもある。それらは技術や戦術面の裏付けはもちろん、様々な経験や、本人の人間性などから形成されるもので、簡単に変わることができないからややこしい。それでも、意識し続けることで、それは確実に変わっていく。当時「我慢と継続」という言葉を良く使ったが、いままた同じことを思う。

いまはまだ大きな波も、それを繰り返していくことで、少しずつ、少しずつ、小さくなっていく。腹が立つ時もある。情けなく思うこともある。けれど、変わるという強い意志と、変われるという信じる強い力が自分を変えていく。結果を真正面から受け止めながら、そして変わらぬ努力を続けること。それがJ1へ続く唯一の道だ。一喜一憂せずにしっかりと前を向いて歩いていくこと。その継続の末にJ1の扉が見えてくる。

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Comments
 
こんな事を言うと怒られるかもしれませんが、運良く勝ってJ1に行くより、2,3年かけて地力をつけて昇格しJ1の常連クラブになってほしいと思っています。チームのスタイルを確立しブレずに戦い続けてほしいです。ただ、そんな中どうやって課題の観客動員を増やせるか…難しいですね。
コメントありがとうございます 
>Jackieさんへ
おっしゃる通りだと思います。まずは、J1昇格を口にするにふさわしいクラブ、チームにすることが先決。地に足を着けたクラブ改革を実行してほしいものです。

観客動員は・・・、厳しいですね。
京都戦の勝利を受けての3/16の愛媛戦は、観客増の要素はあっても、観客減の要素は全くなかったはずです。それでも3000人台の観客。サポーターの熱が上がっている半面、世間の目は、相当に厳しいと捉えるのが正しい捉え方だと思います。

昨年のホーム2試合の動員は、7204人、4614人
今年のホーム2試合の動員は、5409人、3742人

観客動員は一気には増えませんが、だからこそ、誰の目にも分かる行動をクラブが起こさなければ、このまま、ジリ貧になることは明らかです。昨年の経験を経て、クラブ職員が本当に危機感を持っているのなら、すぐにでも行動を起こすはず。この数字は、クラブの本気度が問われている結果だと捉えてほしいと思っています。

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